NA花井盛彦手話教室【NA】初級 2月9日(土)
こんにちは、まつ吉です。
2月9日(土)の初級コースのテーマは『ろう文化』について勉強しました。
皆さんは『ろう文化』と聞くと、どんなイメージがありますか?
授業で出てきた『ろう文化』は、
・電車で手話をしてる人を見かけると話しかける
・話しが長い
・待ち合わせの時間に遅れる
・「好き」という言葉の使い方が違う
・物事を「はっきり」と言う
でした。
授業では、何故その文化が生まれたのか?を考えながら、さらに聴の文化と比較しながら勉強しました。
手話を母語としない社会では、ろう者にとって手話は使えません。その時は筆談などを使い仕事や生活をしています。手話を使えない環境にストレスや寂しさを感じる人が多い。だから、手話を使って話してる人を見ると、話しかける人が多いのです。
話が長くなってしまうのも同じです。終電時間が迫ってるけれど、話が止まらず終電を逃すことも多々あります。久しぶりに手話で話ができたら、嬉しいし沢山話したいですよね。
これらは、私たち日本人が外国旅行の時に、日本語を話してる人を見かけた時に、「日本人ですか?」と声をかけてしまうのと同じ感覚ですよね。慣れない言語でストレスを感じでいる中、自分の知っている言葉を使っていたら嬉しいし、知らなくても声をかけたくなってしまう(実際、授業でも同じ意見が出ました。)
また、時間に遅れるのは、待ち合わせ前に来る文化ではないから。時間にルーズというわけでは無くて、文化だからです。その文化を知っていれば、ろう者と待ち合わせをする時は「待ち合わせ時間は19時ね。」ではなく、「待ち合わせ時間は、10分前の18時50分ね!」と具体的な時間と理由を伝える事ができます。
そして、「好き」という言葉の使い方が聴者とろう者では違います。
聴者は、「あなたは、話が面白くて好き。」とか「優しいから好き」と、何気なく好きという言葉を使いますが、ろう文化では恋人や家族のように大切な人に使われる言葉です。その背景を知らずに使ってしまうと、勘違いが生じてトラブルになってしまいます。
ろう者がはっきりと物事を言うという文化には、手話の特徴が関係しています。
聴の世界では曖昧な表現や言葉を使う事が多いです。愛想笑いや答えたくない質問をやんわりとぼかして答えたりする経験があると思います。その曖昧さや言葉はろう者に伝わりずらく、ズレが生じたりします。日本語と手話が別の言語で、意味が違うということが関係するからです。
例えば、「大丈夫」という言葉。
聴の世界ではよく使う言葉です。
「お箸いる?」という質問に「大丈夫」と答える事はよくあります。同じ質問をろう者にしたら「必要ない/いらない」と答える人が多いです。
「大丈夫」と答えると、「えっ、何が大丈夫なの?」となってしまい意味が伝わりません。この曖昧な表現はろう文化では伝わらないのです。
「はっきり言う文化」なので、YES、NOをはっきり伝える外国語と同じですよね。
今回の授業で『ろう文化』を学びましたが、ろう者を取り巻く環境も大きく関係していると感じました。手話が母語になり、手話が当たり前の世界になったら…ろう文化も変わるかもしれませんよね。
また、今回の授業を受け、花井先生がいつも話してくださる話も思い出しました。
「日本語と手話は全く違う言語だから、日本語を全て捨てて手話を勉強する必要がある。日本語に当てはめて手話を使っては、ズレが生じたり伝わらないんだよ。」ということ。
そして、ろう文化を知る事で、相手の立場になって考える(イメージする)ことが大切だなと感じました。
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